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ー新人の声 vol.2(2023年度入職)

大学卒の診療放射線技師が新人として就職してから働いていく中での心境の変化や様々な経験を奮闘記として記しました。
当院への就職希望の方やこれから診療放射線技師を目指す方の参考になれば幸いです。

就職初日

一般撮影やCTで働いている先輩技師を見ていると、検査ひとつひとつのスピードが速く、大学病院の業務をこなしていけるか不安でした。
また、忙しそうな先輩技師を見ていると話しかけづらく、職場に馴染んでいけるのか、なにより他の同期3人とうまくやっていけるか、不安しかないままのスタートでした。

 

新人ローテーション(4月~9月)

愛知医科大学病院の撮影法や検査のルールや、大学ではなかなか学ぶことのできない臨床の知識が求められる日々でした。
何もかもがわからない状況で毎日失敗が続き、仕事に行くのが嫌になりました。
しかし、嫌なことだけではなく、同期や先輩技師との距離が近くなった時期でもありました。
中央放射線部には、入職2年目の先輩が新人をごはんに連れていくという伝統があります。
自分たちは焼肉に連れて行ってもらいました。ありえないくらいサシが入った牛肉が出てきたことは未だ忘れる事はありません。
今までは職場で仕事の話しかできない先輩たちと仲良くしていけるかの不安がありましたが、この機会があったことで仕事やプライベートの悩みなどを相談できるほど距離が近づきました。不安でいっぱいな気持ちが少しは楽になったことを覚えています。このおかげで、一般撮影の予習をする際に2年目の先輩技師に撮影法を聞き、模擬練習をすることができました。検査の流れや撮影技術が少しずつ身についていることを実感し、さらに先輩との交流も増え、職場に少しずつ馴染んでいけている気がして嬉しかったです。

 
 
 

新人ローテーション明け(10月~)

検査を1人で行うことが多くなり、日勤帯の業務に慣れが出てきた時期でミスや失敗を多く経験しました。中でも衝撃的なミスをしたのが気胸の患者さんに挿入されている胸腔ドレーンの排液バッグを倒した事です。
このドレーンと排液バッグは圧差や重力差を利用し、サイフォンの原理に基づいて排気・排液を促します。そのため、バッグを立てて置くことでバッグ内を陰圧に保つ必要があります。
自分はそのことを知らずにCTの寝台にバッグを寝かせて置きました。気づいたときにはバッグから排液が漏れ出て、CT寝台が濡れてしまったことは忘れないです。
これ以来、胸腔ドレーンを見るたびに注意深く扱うことを心がけています。
失敗から学ぶことのできた貴重な体験でした。
 
今までは近くに先輩技師がいて、間違いがあると何かが起こる前に指摘してもらえる状況だったんだと改めて気づくことができました。
新人ローテーションを終えて自分であれば、検査をこなせると慢心していましたが、検査を1人で行える知識と能力はまだまだ足りないと深く実感しました。

 

初めての救急(10月)

救急特有の慣れない業務があり、当直研修も近いことから焦りを感じていました。
肩の痛みが強い患者さんの肩関節の一般撮影の際、患部を動かさずに斜位を撮影する技術がなく、医師に確認し斜位の撮影を断念してしまったことがありました。
後日、先輩技師に相談したところ、患者さんの体を斜位にするのではなく、X線管の角度をつけるという撮影方法を教わりました。撮影手順は覚えていたのですが、体を動かせないイレギュラーな患者さんへの応用力が足りないことに気づきました。
解剖の知識をつけ、動くことができない患者さんへも応用を効かせて撮影する技術を身につけたいと思いました。
また、当院の救急検査での診療放射線技師は、撮影や画像処理だけでなく、他にも任される業務があります。その中の1つが造影CT検査時に安全に血管に造影剤が注入されているかを判断するスリルの確認です。

日勤帯ではスリルの確認に慣れている画像診断センターの看護師が行っていますが、救急では画像診断センターの看護師がいないため、技師がスリルの確認を行います。私はスリルの確認をしたことがなく、その日から日勤帯で看護師や先輩技師にサポートされながら経験を積みました。
実際に造影CT検査でスリルの確認をし、血管外漏出を素早く触知して造影注入停止ボタンを押すことができ、患者さんの苦痛を最小限に抑えることができました。
これまでは自信がなかったスリルの確認ですが、この経験を経て少し自信がつきました。
私は器用に物事をこなしていけるタイプではないので、救急現場でできる業務を一つずつ増やしていきたいと思いました。

 
 
 

当直業務(10月~)

当直業務がはじまると自分の知識や技術不足を感じることが多く、不安要素がたくさんありました。
一番の不安要素はこの時期から稼働が始まったハイブリッドERでの検査です。
一つの治療寝台でCTとIVRを行うので今までとは検査の流れや装置の操作が違います。自分の中ではできると思っていましたが、実際に検査が来ると勉強不足で力になることができず、ただ突っ立っている状況になってしまい、悔しくて情けない気持ちになったことがありました。
それからは1人で検査を行う技術を身につけなければと思い、深夜の検査がない時間に先輩技師から検査・治療を行うためのX線管や寝台の基本操作を教わり、何度も練習をしたことを覚えています。
救急の検査はスピードも求められるので、スピーディかつ正確に検査を進められる知識と技術を身につけて、多職種と積極的に連携をとりながら迅速に検査をこなしていく先輩技師のようにチーム医療の一員として1人でも多くの患者さんを救えるよう人一倍努力していきます。

 
 
 

ー新人の声 vol.1(2021年度入職)

新人技師の一年間の様子

入職して3か月間は新人ローテーションとして一般撮影・CT・透視・IVR・ERを週単位で回り、それぞれのモダリティの検査の流れや雰囲気、基礎的な技術を学びます。
ここからは人や入職した年によって異なりますが、私の場合は7・8月をCT、9月はIVR、10・11月はMRI、12月から3月までが一般撮影と月単位で回ります。
新人ローテーション後からは基礎的な技術はもちろんですが、より高い専門性が求められる検査が実施できるように、また、当直業務を責任を持って行うことができるように勉強していきます。 当院の中央放射線部では新人教育の一環として教育班が新人に向けて勉強会を開催しています。
まずは4月下旬から一般撮影の勉強会が始まります。週に1度、一般撮影に関わる機器の使用方法に始まり、様々な部位の撮影意義・方法などについて先輩方から学びます。普段の一般撮影業務でわからないことや不安なことについて聞くことができるため、非常に勉強になります。 一般撮影の勉強会が7月いっぱいで終了し、続いて8月から救命救急の勉強会が始まります。救命救急の基礎知識から生命に関わる重大疾患の病態や撮影における注意点、画像所見についての理解を深めます。救命救急の勉強会は月に2回開催されています。

 
 
 
 
 
 
 
 

一年間を振り返って

当院はさまざまなメーカーの機器を使用し、多岐にわたる検査を毎日安全に数多くこなしている病院であると思います。
さらに、三次救急も行っているため生命が危うい患者さんを目の前にして、有用な画像を得るための正しい判断が求められます。その病院の診療放射線技師の一員になるには多くの知識や経験が必要不可欠であると日々痛感しているところです。先輩が行う検査に少しでも近づくためには努力しかありません。ときにはミスをしたり、わからないことばかりで不安になったりと多くの壁を感じることもありますが、この経験がより良い検査の実現につながる、自分の成長の糧になると感じています。 当院の中央放射線部では新人のメンタルサポート制度があります。そのため、業務やプライベートの不安や悩みなどを相談する環境も整っていると思います。私自身もこのメンタルサポート制度の面談を活用したり、先輩との距離も近いため業務後などに相談や質問をしたりして悩みを解決し、楽しく日常業務に携われています。
休みも取りやすいので、休日は友だちや仲の良い先輩とごはんに行くなどして気分をリフレッシュする時間も作ることができます。
学術班の先輩方が外部の勉強会の案内もしてくださるので、自分が興味をもった勉強会には休みや業務後に積極的に参加もしています。
まだまだわからないことばかりですが、先輩たちに支えられながら成長し続けていきたいです。

新人技師の一年間(例)